俺の好きにさせてください、お嬢様。
わぁ、バッチバチだ……。
なんかいろいろあったからこの2人も仲良くなってるのかな?なんて思ってたけど……。
実はそうでもないの?
いや、でも悪くはないはずだよね…?
「まだ指先しか付けてないから良かったけどさぁ…。
俺って早乙女財閥の跡取りだよ?お前なんかDランクに下げることだってできるからね」
「執事の界隈では俺はお前より遥かに先輩だ。それがお茶を注ぐものだと知らない時点で見習いなんだよ早乙女」
「……ほんと性格悪いよねあんたって」
「お前もな」
もうこんなの無視っちゃえっ!!
ハヤセは早乙女に対して意地悪というよりは、やっぱりそれまでの仕返しをしてるっぽいんだけど…。
でも早乙女も早乙女で、それを認めているからこそ早瀬にそれ以上の危害を加えようとはしなかった。
「あれ?お姉ちゃんどこ行くの?」
「ちょっとね、」
席を立ち上がったお姉ちゃんはキョロキョロ店内を見回してから、1人の店員さんに近づいた。
何かをボソボソ伝えているらしく、しばらくすると戻ってきた。
その手には1つのおしぼり。