俺の好きにさせてください、お嬢様。
1皿100円という素晴らしい価格のお寿司を堪能するわたし、お姉ちゃんもキラキラしてる瞳を隠せれていなくて。
早乙女はスイーツばっかり食べて。
「まぁ庶民的な味もたまにはいいか」
「もう食べなくていいわよ燐」
「そーだそーだっ!いちばん注文してるの早乙女のくせにっ」
ハヤセはそんなわたしたちを見て優しい顔。
なんか───…普通の高校生みたいだ。
お嬢様とか御曹司とか執事なんかじゃなくて、それはどこにでもいる若者4人組。
「っ…!!」
テーブルの下、お姉ちゃんと早乙女には見られない場所。
わたしの手に指を絡めるように繋いでくるハヤセ。
「わっ、うわわわわっ!!」
「エマ?どうかしたの?」
「ううんっ!お寿司おいしいねお姉ちゃんっ!!」
「ふふっ、連れてきてくれてありがとうエマ」
うんっ、うんっ!
すごく感動的なシーンだというのに、胸がどっくんばっくんだ…っ。
もーーーっ!
そんなわたしを試すように意地悪に、くすっと笑うハヤセ。
「あっ!そういえば早乙女とお姉ちゃんは婚約者に戻ったのっ?」