俺の好きにさせてください、お嬢様。
ここは気分を紛らわせよう…!
スッと隣の隙間を埋められて、肩がコツンとぶつかって。
たまに太腿を触られてくすぐったくて、そんな気分を紛らわすのエマっ!!
「あー、いや。そういうわけじゃないけど。ただ柊家も早乙女家も両家の繋がりだけは途絶えさせたくないみたいでさ」
「そう。だからいろいろ歓談だったりがしょっちゅう設けられてるの」
あ、そうなんだ…。
じゃあとくに婚約者ってわけではなくて、そうなると……あのーー。
ただ仲が良いってことになるんだけど…おふたりさん気づいてる?
「でもたまに2人でご飯食べたりしてるんだよね?それもお父さんたちが設けた歓談のひとつなの?」
そんなわたしの無意識な質問に、ピタッと動きが止まった目の前の2人。
前も早乙女とお昼約束してるってお姉ちゃん言ってて、でもすごく嬉しそうな顔してたから気になってた。
それって仕方なく行ってる感じには見えなかったから。
「いや違うねあれは。オススメの店あるからって誘っただけ、俺が」
「…え、それってデートじゃんっ!」
「っ…!!燐!!ここはお父さんから頼まれた歓談って言うところでしょう…!!」