俺の好きにさせてください、お嬢様。
アリサside
「アリサは俺が送ってくけど、エマたちは?乗る?」
「ううんっ!わたしたちは寄るところがあるから!」
「そ?じゃーね」
「またねーーっ!」
お店に入る前に転んだ妹の怪我は少し心配だったけど、真冬くんがいるから平気ね───と。
私はホッとしつつ見送った。
「はい、どうぞ」
「…ありがとう」
「ありがとうよりごめんねが欲しいよ俺は」
「言うわけないわ」
助手席のドアをスムーズに開けてくれる燐は、私の皮肉を込めた返事に軽く笑って閉めた。
この男と2人で話す時間は、いつの間にか“嫌い”では無くなった。
それもすべてエマのおかげで、だから婚約続行というわけでもないけれど。
良好な関係さえ築いていればいい───なんて両家との約束の上でも、わざわざ休日にプライベートで会っている今日。
「あなたは今もエマのことが好きなの?」
静かな車内で淡々と聞いてみた。
この男がエマに本気で惚れていたのは知っている。
今日だって子供のようにはしゃぐエマを、優しい顔をして見つめていたのだって知っている。
「アリサは俺が送ってくけど、エマたちは?乗る?」
「ううんっ!わたしたちは寄るところがあるから!」
「そ?じゃーね」
「またねーーっ!」
お店に入る前に転んだ妹の怪我は少し心配だったけど、真冬くんがいるから平気ね───と。
私はホッとしつつ見送った。
「はい、どうぞ」
「…ありがとう」
「ありがとうよりごめんねが欲しいよ俺は」
「言うわけないわ」
助手席のドアをスムーズに開けてくれる燐は、私の皮肉を込めた返事に軽く笑って閉めた。
この男と2人で話す時間は、いつの間にか“嫌い”では無くなった。
それもすべてエマのおかげで、だから婚約続行というわけでもないけれど。
良好な関係さえ築いていればいい───なんて両家との約束の上でも、わざわざ休日にプライベートで会っている今日。
「あなたは今もエマのことが好きなの?」
静かな車内で淡々と聞いてみた。
この男がエマに本気で惚れていたのは知っている。
今日だって子供のようにはしゃぐエマを、優しい顔をして見つめていたのだって知っている。