俺の好きにさせてください、お嬢様。
ハヤセもしかしてヤキモチ?
これってね、ヤキモチって言うんだよ。
テレビのオネェタレントが言ってた。
「俺だって、エマお嬢様も恵美も両方が好きです」
「なっ…!!それちょっと違うから!!猫ちゃんの名前に“恵美”って生々しい名前付ける飼い主なんか中々いないよ…っ!!」
「そのまま返します。…なにが政宗だ、ふざけんなよ」
「じゃあ燐にする!!うんっ!それがいいっ!!燐っ!格好いいねぇ燐!」
「……てめえ、」
うーーーわーーーーっ!!!
これは煽りすぎたかもしれない…っ!!
「んんっ…!だめっ、ここ外なの…っ!学校近いから…っ!!」
「エマお嬢様は俺だけのお嬢様なんだよ」
「んぅ…っ、ぁ…っん!」
ヤバい、怒ってる…すっごい怒ってる…!!
当たり前のように舌が口内に入って、まさぐるように捕まえられて。
わざとらしく絡め取られて、つうと唇の端から垂れたってお構い無し。
「やっ…!ハヤセのバカ……っ」
「ここは誰も来ません。…いいから俺の好きにさせろ」
「ぁ…っ、やだ、まって…、お願いマフユ…っ」
「今回は効かねえな」
しゃがみこむことさえ一苦労。
ハヤセが支えてくれていなかったら、前みたいに全身が脱力している状態だ。
あぁ───…もう、だめ……。