俺の好きにさせてください、お嬢様。




これでパンに塗れるっ!

こんなにも固い蓋で作られてるんだから、ぜったい美味しいはずだもん…!



「それではワシはこれで失礼するかの」


「待ってください、御子柴さん」



そんなおじいちゃんを止めたのはハヤセ。

どこか悔しそうで、落ち込んでるような顔をしていた。



「…どうやって、やったのですか」


「んん?これはのぅ、ワシにしかできん技じゃ」


「教えてください。お願いします」



えっ、ハヤセが頭を下げてる…!!

Sランクエリートだからこそ失敗は許されなかったりするの…?

確かに執事としては完全無欠なのが早瀬 真冬だから。


それにわたし、この瓶の蓋を開けれた人と結婚する!!とか言ってたような…。


ってなるとおじいちゃんとするってこと!?ないないっ!!それはちょっと……!!



「…俺を、弟子にしてください」


「えっ弟子!?ハヤセが!?」


「はい。エマお嬢様と結婚するのは俺ですから」



そうなるといつかずっとずっと先の未来で、“瓶蓋裁きの早瀬”って異名が付くようになっちゃったり……?


やっぱり御子柴さんは未来の未来のハヤセってのは、あながち間違ってない気がする…。



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