俺の好きにさせてください、お嬢様。
「ハヤセ元気だして?おじいちゃんと結婚はちょっとわたしも……うん、」
「させるわけねえだろ俺が」
「わわっ、」
いきなり俺様ハヤセが出てくるの、やっぱりちょっとびっくりするなぁ…。
くいっと腰に回された手が引き寄せてくる。
「ハヤセすごいよ!格好いいよ!世界でいちばんっ、いや宇宙でいちばんっ!」
どうすれば元気になる…?
しょぼーんって、なんか可愛いんだけどハヤセ。
「…駄目だ、元気が出ません」
「そんなぁ…、どうしよう…!」
「エマお嬢様からキスしてください」
「えっ、」
まさかのおねだりがきた。
じーっと見つめられると、これもまた断れないから困るっ。
「じゃあ目……、閉じてっ」
「嫌です」
ちょっとわがままじゃない…?
落ち込んでるからって調子乗ってない…?
前は勢いで自分からしたことが1度だけあるけど、こんな空気感でしたことないもん…。
「エマお嬢様も目を開けたまましてください」
「は、恥ずかしいよそんなの…!」
「あぁ俺、もう駄目です。…イタリアで修行し直そうかな」
「え!?やだっ!行かないでハヤセっ」