俺の好きにさせてください、お嬢様。
「わぁぁぁぁ~~~!!見てハヤセっ!曇の上飛んでるっ!!」
海だって山だって小さく見える!!
町の感じだって普段見てるものと全然ちがうっ!!
まるでそれはミニチュアの世界を見てるみたいだった。
「すごいっ!!わーーーっ!!ハヤセっ、ねぇハヤセっ!!」
「うるさいわよ破壊神っ!!あんた一応は柊なんだから飛行機なんて珍しくもないでしょっ!」
「ううんっ!わたし初めてっ!!ハヤセ!島みたいなのあるーーーっ!!」
修学旅行当日。
飛行機は一機を貸し切りにしてプレミアムクラスだなんて。
さすがは桁違いのお嬢様学校だ。
「もう八木(やぎ)!あの問題児どうにかして!!」
「は、はい!」
出たよ八木…。
たとえそうやって執事を使ってきたとしても、わたしには必殺カードのハヤセがいるもんっ!
「早瀬さん!お休みになっているお嬢様だっているんだ、エマお嬢様の音量を下げてくれ」
なにその言い方っ!!
まるでわたしが音を出すうるさい機械みたいな言い方してっ!
「エマお嬢様、こちらを向いてください」
「嫌っ!空見るの!!修学旅行くらい楽しませてハヤセっ!!」