俺の好きにさせてください、お嬢様。
「やだぁ、雨降りそうじゃない」
「ほんと~。せっかく来たのに…」
「えー、じゃあもうホテル行きましょうよ」
分厚い雲が太陽を隠してしまってる。
さっき飛行機の中から見た空は真っ青で晴れてたのに…。
天候の移り変わりが激しいのも台湾という国の特徴らしい。
「みなさん、それではこれから中正紀念堂へ向かいましょう」
「え~!先生、もうホテルで休みたいわ!」
「いいから行くの!遊びに来たんじゃないのよ?海外の歴史に触れることも立派な花嫁になるための修行です!」
初日は2年生の全員で観光地を回って、2日目の明日は丸1日自由行動となっている。
もちろんわたしはハヤセと!
ただ本当に今にも雨が降りそうなくらい、遠くで雷も鳴ってるような…。
明日は晴れてくれるといいなぁ。
「理沙ーーっ!!写真撮ろっ!写真!」
「わかったから少しは大人しくしなさいよバカエマ!」
「ハヤセっ!写真撮って!」
中正紀念堂前の大きな広場にてハヤセは「かしこまりました」と、一眼レフカメラを構えた。
スマホカメラではなく、執事は1人ずつ一眼レフが渡されていて。