俺の好きにさせてください、お嬢様。
たとえばその写真が御曹司へ見せる宣材写真になったりするらしい。
まぁわたしには関係ないことだけどっ!
「碇も可愛く撮りなさいよ?」
「もちろんでございます!理沙お嬢様!」
───カシャッ。
ハヤセは一眼レフカメラとスマートフォンの二刀流。
理沙との初めてのツーショット。
彼女はわたしがスタ女で初めてできた友達。
プールで溺れかけていたところを助けてあげてから、こうして話してくれるようになった。
「ほらバカエマ!早瀬さんとのツーショット撮ってあげるわ」
「えっ!いいの!?ハヤセこっち来て!」
ハヤセの写真はわたしのスマホにいっぱい入っていて、ハヤセもたまにわたしの姿を撮っている。
だからお互いの写真は持っていたとしても、2人では初めてかもしれない。
「エマお嬢様、もう少しくっついてください」
「う、うんっ」
これはもう背筋ピーーン!だ。
だって背中にハヤセの手が回ってるし、顔を寄せてくるし…!
「バカエマ!あんた銅像みたいになってるわよ!もっとリラックスして!」
「そっ、そんなの無理だもんっ」
「はーー、もうこれはこれでいいか」