俺の好きにさせてください、お嬢様。
それからおじいちゃんを執事にすると言ったのはお姉ちゃんだった。
今ではこうして他愛ない話を変わらない姉妹として交わせる毎日。
彼女はずっとわたしのことを忘れていなくて、ただ少し欠けてしまった四つ葉のクローバーを戻すのに時間がかかっただけ。
でも無事に元どおりの今。
「真冬くんも甘すぎるわ。それだとエマはあなたがいないと何もできない子になっちゃう」
「それはそれで俺にとっては嬉しいことですから」
「あらそう?大変よこの子は。きっと扱えるのは真冬くんか私だけじゃないかしら」
「はい、俺に任せてくださいアリサ様」
お姉ちゃんは安心したように微笑んだ。
いい関係……。
見てわかる、すごい良い関係だ…お姉ちゃんとハヤセ。
ヤキモチを妬くとかそーいうレベルじゃなく、こうして話を聞いているだけで嬉しくなってしまう。
「行きましょう御子柴さん」
「えっ、お姉ちゃんはお昼一緒に食べないの?」
「えぇ。今日は燐と約束があるの」
「あ、そうなんだっ。早乙女にもよろしくね!今度一緒にみんなで回転寿司行くんだよお姉ちゃん!」
「言っておくわ。食べすぎちゃだめよ、エマ」