俺の好きにさせてください、お嬢様。
元気な返事をして見送った。
お姉ちゃんと早乙女財閥の御曹司である早乙女 燐(さおとめ りん)は、あれから。
わたしはよく知らされてはいないけど、なんかそこも悪くはない関係らしい。
婚約続行なのかは不明だけど……悪くないことだけは、今のお姉ちゃんの表情からしても読み取れることで。
まぁまた今度回転寿司のときにでも聞いてみよーっと!
「理沙お嬢様、このあと佐野(さの)様とリモート対談がございます」
「あ、そうだった。じゃあねバカエマ、授業に遅れないようにしなさいよ?」
「あ、うん!」
佐野さま?
それって理沙の婚約者だったりするのかな…?
「ハヤセおかわりっ」
「ちょっと何回目よ!?食べすぎないようにってアリサさんに言われたばっかじゃない!」
理沙のお叱りを柔らかい顔でスルーしつつ、ハヤセはもう一切れのテリーヌをお皿に乗してくれる。
そのおまけとしてスープまで追加。
わかっている執事だ、やはりあなたはSランク。それもわたし専属のっ!!
「なんか静かになっちゃったね…」
「ええ、この時期はどのお嬢様も忙しい時期ですからね」