悪役令嬢ですが死亡フラグ回避のために聖女になって権力を行使しようと思います
まさか、マジでゲームの世界に転生するなんて!
しかもどのルートを通ってもイベントで強制的に死ぬ悪役令嬢ということか。
うん。Web小説を読んでいた時はありえないと思っていたのだけれど。
魔法と剣の世界になんて行けたら、魔法をバリバリ習って最強の魔法使いになるとか、そんな痛い夢を見ていたせいで、こうなってしまった可能性もある。
これは普段の痛い妄想がなせる夢の世界かもしれない。
……考えたところで仕方ない。
夢ならそのうち覚めるだろう。
とりあえず、夢じゃなかった場合を想定して、なんとか死亡フラグを回避しないと。
一番の死亡フラグ回避方法は……。
【第二王子の婚約者にならない。ヒロインがいる王国の魔法学校に行かない】
これである。これこそが死亡フラグ回避の方法!
この世界では、十四歳になると魔力の高い貴族は基本的に魔法学校に入学しなければいけないのだ。
レティの父カルロが後妻に操られて、たしかレティが十歳の時、無理やりゲオルグ王子の婚約者にさせられてしまったはず。強制イベントで周回のたびに何度も見ているので内容を覚えている。
この悪循環は──レティが幼い頃から父親は借金苦におちいっていて、その肩代わりを申し出た裕福な領主の娘と結婚してしまったことに端を発する。
そもそもその結婚は、この領地を手に入れるための、ゲオルグ王子を支持する貴族一派による策略だった。
結婚後、レティの父親は薬を盛られ、廃人のようにされ、領地の実権は後妻が握ってしまう。
レティは魔力が異常に高かったため、これまた後妻のもくろみにより、ゲオルグ王子の妃候補(といっても第二夫人的位置)として婚約させられる。
が、ヒロインの活躍によってゲオルグ王子の支持派のせいで父が狂ったとレティは気づいた。
同時に悪役令嬢だった彼女は改心し、ヒロイン派になったのだけれど――結局悪役令嬢マリエッテにはめられ、王子たちに断罪されて殺されてしまうのだ。
ヒロインがレティ断罪の噂を聞いた時にはもう遅かった。
レティの死を受け入れられないヒロインはレティを生き返らせるため、賢者の石を作ろうと無理をし、ヒーローによって止められる。
そしてふたりの愛情は燃え上がる。
そんなヒーローとのラブラブイベントのために死ぬキャラが、レティ。つまり今の私だ。
ありえない。他人のイチャイチャのために死ぬとか、マジありえない。
というか死にたくない。死なないためには全力で死亡フラグ回避のために動かないと。
しかもどのルートを通ってもイベントで強制的に死ぬ悪役令嬢ということか。
うん。Web小説を読んでいた時はありえないと思っていたのだけれど。
魔法と剣の世界になんて行けたら、魔法をバリバリ習って最強の魔法使いになるとか、そんな痛い夢を見ていたせいで、こうなってしまった可能性もある。
これは普段の痛い妄想がなせる夢の世界かもしれない。
……考えたところで仕方ない。
夢ならそのうち覚めるだろう。
とりあえず、夢じゃなかった場合を想定して、なんとか死亡フラグを回避しないと。
一番の死亡フラグ回避方法は……。
【第二王子の婚約者にならない。ヒロインがいる王国の魔法学校に行かない】
これである。これこそが死亡フラグ回避の方法!
この世界では、十四歳になると魔力の高い貴族は基本的に魔法学校に入学しなければいけないのだ。
レティの父カルロが後妻に操られて、たしかレティが十歳の時、無理やりゲオルグ王子の婚約者にさせられてしまったはず。強制イベントで周回のたびに何度も見ているので内容を覚えている。
この悪循環は──レティが幼い頃から父親は借金苦におちいっていて、その肩代わりを申し出た裕福な領主の娘と結婚してしまったことに端を発する。
そもそもその結婚は、この領地を手に入れるための、ゲオルグ王子を支持する貴族一派による策略だった。
結婚後、レティの父親は薬を盛られ、廃人のようにされ、領地の実権は後妻が握ってしまう。
レティは魔力が異常に高かったため、これまた後妻のもくろみにより、ゲオルグ王子の妃候補(といっても第二夫人的位置)として婚約させられる。
が、ヒロインの活躍によってゲオルグ王子の支持派のせいで父が狂ったとレティは気づいた。
同時に悪役令嬢だった彼女は改心し、ヒロイン派になったのだけれど――結局悪役令嬢マリエッテにはめられ、王子たちに断罪されて殺されてしまうのだ。
ヒロインがレティ断罪の噂を聞いた時にはもう遅かった。
レティの死を受け入れられないヒロインはレティを生き返らせるため、賢者の石を作ろうと無理をし、ヒーローによって止められる。
そしてふたりの愛情は燃え上がる。
そんなヒーローとのラブラブイベントのために死ぬキャラが、レティ。つまり今の私だ。
ありえない。他人のイチャイチャのために死ぬとか、マジありえない。
というか死にたくない。死なないためには全力で死亡フラグ回避のために動かないと。