そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***
どのくらいの時間、椅子にうずくまっていたんだろう。
ザバッとお湯の音がして、ヒタヒタという足音の後、すぐそばに頼綱が立つ気配がした。
「花々里。俺は先に上がって一旦自室に戻るから。キミも早めに濡れた服を脱いで身体を温めるんだよ? 風呂から上がったら、脱衣所にあるインターホンで俺の部屋にかけて? 風呂の始末の付け方を教えに戻って来よう。――ゆっくり温まって?」
しっかりぬくもったんだろう彼の身体から、ほこほこと温かい蒸気が感じられるようで、うつ伏せていても嫌というほど頼綱の気配を感じてしまう。
そう意識した途端、おさまりかけていたあの変な感覚がジクジクと身体の奥底に蘇ってきて……私は居た堪れなさに小さく吐息を落とした。
何なの、これ。
思いながら、早く頼綱にそばを離れて欲しくて、突っ伏したまま何度もコクコクとうなずく。
「ホント、俺が出たらすぐに濡れたの脱いでぬくもるんだよ?」
何度も念押ししてから、冷え切った私の肩の冷たさを確認するみたいにそっと触れて、頼綱がやっと浴室から出て行ってくれた。
私は頼綱に触れられた肩が痺れるように熱を持った気がして……「何で触るの……」と誰もいない浴室で、1人小さく抗議した。
どのくらいの時間、椅子にうずくまっていたんだろう。
ザバッとお湯の音がして、ヒタヒタという足音の後、すぐそばに頼綱が立つ気配がした。
「花々里。俺は先に上がって一旦自室に戻るから。キミも早めに濡れた服を脱いで身体を温めるんだよ? 風呂から上がったら、脱衣所にあるインターホンで俺の部屋にかけて? 風呂の始末の付け方を教えに戻って来よう。――ゆっくり温まって?」
しっかりぬくもったんだろう彼の身体から、ほこほこと温かい蒸気が感じられるようで、うつ伏せていても嫌というほど頼綱の気配を感じてしまう。
そう意識した途端、おさまりかけていたあの変な感覚がジクジクと身体の奥底に蘇ってきて……私は居た堪れなさに小さく吐息を落とした。
何なの、これ。
思いながら、早く頼綱にそばを離れて欲しくて、突っ伏したまま何度もコクコクとうなずく。
「ホント、俺が出たらすぐに濡れたの脱いでぬくもるんだよ?」
何度も念押ししてから、冷え切った私の肩の冷たさを確認するみたいにそっと触れて、頼綱がやっと浴室から出て行ってくれた。
私は頼綱に触れられた肩が痺れるように熱を持った気がして……「何で触るの……」と誰もいない浴室で、1人小さく抗議した。