そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
「おっ、お昼は(ひつ)まぶし、だよね?」

 言ったと同時にガチャッと集中ドアロックがかかって、私は思わず身体をすくませる。



「ご飯……食べさせてくれるっていうの……嘘だったの?」

 わざわざ鍵を掛けて逃げられないようにされたってことは……きっとそうなんだ。


 お腹空いてるのにっ。ご飯だって言うからついてきたのにっ。

頼綱(よりつな)の、バカ」

 まんまと罠にハマった気がして……慌てて窓外に視線を流す。
 それで、ぐんぐんスピードが上がる車から今更途中下車なんて出来ないって悟った私は、余計に悔しく思ったの。


 視線を車内に戻した私は、せめてもの抵抗にと恨みがましい目で頼綱を見つめた。
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