そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
口角を上げるように私の頬のお肉をキュッと持ち上げると、
「なるべく早めに仕事、終わらせてくるからね。……あんまりうろうろしないで待っておいで? キミはすぐに迷子になるんだから」
頼綱が、まるで幼な子を心配するみたいに私の頬を優しく包み込んで眉根を寄せる。
私は照れ隠しにその手から慌てて逃れると、
「う、動かないっ」
そう宣言した。
今から頼綱と一緒にロビーまで戻ったら、そこでじっとしてるから。
――だからお願い。早く迎えにきて?
言えない言葉が喉の奥で引っかかって、まるでそれを飲み込みたいみたいに私、カップに残っていたミルクティを一気に飲み干した。
底の方で溶け損ねていたらしいお砂糖が、下に溜まっていてすごくすごく甘かった――。
頼綱とさよならをしてロビーにひとり。
頼綱から貸与されたスマートフォンを見て、例えそれが頼綱と私を繋ぐツールになるのだとしても、さっきみたいに触れ合えないんなら全然意味がないじゃないって思ってしまった。
みんな、スマホは便利だって言うけれど、私にはちっとも便利だなんて思えません!
「なるべく早めに仕事、終わらせてくるからね。……あんまりうろうろしないで待っておいで? キミはすぐに迷子になるんだから」
頼綱が、まるで幼な子を心配するみたいに私の頬を優しく包み込んで眉根を寄せる。
私は照れ隠しにその手から慌てて逃れると、
「う、動かないっ」
そう宣言した。
今から頼綱と一緒にロビーまで戻ったら、そこでじっとしてるから。
――だからお願い。早く迎えにきて?
言えない言葉が喉の奥で引っかかって、まるでそれを飲み込みたいみたいに私、カップに残っていたミルクティを一気に飲み干した。
底の方で溶け損ねていたらしいお砂糖が、下に溜まっていてすごくすごく甘かった――。
頼綱とさよならをしてロビーにひとり。
頼綱から貸与されたスマートフォンを見て、例えそれが頼綱と私を繋ぐツールになるのだとしても、さっきみたいに触れ合えないんなら全然意味がないじゃないって思ってしまった。
みんな、スマホは便利だって言うけれど、私にはちっとも便利だなんて思えません!