そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***

「――つまり、キミは僕が知らない間に鳥飼(とりかい)から同じものをもらった、と……。そういう解釈で合っているかな?」

 しどろもどろになりながら今朝の経緯を懸命に話したら、頼綱(よりつな)が静かな声音でそう言った。

 私は頼綱が未だ「僕」のままなことを気にしつつ、小さくうなずいた。

「ふぅ〜ん。それで昼、キミは紅茶しか飲まなかったんだ」

 僕以外から餌付けされるとか許せないね、って付け足しとともに冷ややかに見下ろされて、私はグッと言葉に詰まる。

 だって図星だったから。

「――ごめんなさい……」

 小さくそう謝罪したら、「花々里(かがり)の誠意は……詫びの言葉を口に乗せるだけなのかね?」って聞かれて。

「黙っていたってことは、それが悪いことだとキミ自身認識していたってことだよね?」

 そんな風に畳み掛けられた私は、どうしたらいいのか分からなくなる。
< 321 / 632 >

この作品をシェア

pagetop