そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***


 結局のところ、私の試験が全ての鍵を握っていることに代わりはないんだって痛感させられて。

 私、頼綱が手配してくれた予備校で、がむしゃらに勉強を頑張った。

 家でも勉強する私に、時折頼綱が差し入れてくれるご当地スイーツは、必ずお母さんの分も用意されていて。

 それを「食べにこない?」ってチラつかせた時だけ、お母さんは「そんな美味しいの見せられたんじゃ敵わないなぁ」って苦笑しながら母屋(こっち)に遊びに来てくれた。

 それが、私には頼綱がお母さんが私の様子を見にくる口実を作ってくれているように思えて。

 だって私とお母さんの双方が、近くにいるけど遠く思えるお互いのことを気にしているって言う状態になる前は、頼綱、こんなにお取り寄せスイーツなんてしなかったんだもの。
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