そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
幽現屋(ゆうげんや)
「え!?」
思わず飛び起きて目の前のガラスに手を付くと、足元がぐらりと揺れてドキッとする。
私の周りには色とりどりの花があって、まるでお花畑にいるみたい。
綺麗、と思ったのも束の間、自分が瓶の中に閉じ込められていることに気が付いた。
手に持っていたはずの緑色のエコバッグはどこに行ってしまったんだろう?
さっきほんの少し手をついただけで瓶全体が傾ぎそうになったのを思い出した私は、キョロキョロするのさえ怖くてエコバッグも探せないまま、恐る恐る眼前のガラスに触れる。
「何が起こったの……?」
何だかぼんやりふわふわとした思考の波をかき分けるように過去に思いを巡らせる。
そういえば――。
夕方、八千代さんから頼まれた買い物の帰り道。
とっても心惹かれる甘い匂いに誘われて、私、ふらりと見慣れない路地裏に入ったんだった。
そこで――。
甘くて美味しい、トロリとしたシロップを飲んだ。
思わず飛び起きて目の前のガラスに手を付くと、足元がぐらりと揺れてドキッとする。
私の周りには色とりどりの花があって、まるでお花畑にいるみたい。
綺麗、と思ったのも束の間、自分が瓶の中に閉じ込められていることに気が付いた。
手に持っていたはずの緑色のエコバッグはどこに行ってしまったんだろう?
さっきほんの少し手をついただけで瓶全体が傾ぎそうになったのを思い出した私は、キョロキョロするのさえ怖くてエコバッグも探せないまま、恐る恐る眼前のガラスに触れる。
「何が起こったの……?」
何だかぼんやりふわふわとした思考の波をかき分けるように過去に思いを巡らせる。
そういえば――。
夕方、八千代さんから頼まれた買い物の帰り道。
とっても心惹かれる甘い匂いに誘われて、私、ふらりと見慣れない路地裏に入ったんだった。
そこで――。
甘くて美味しい、トロリとしたシロップを飲んだ。