そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
すかさずギュッと小さな身体を抱きしめると、俺は当初の計画通り彼女の唇を奪った。
「ん、……んっ!」
驚いて逃げようとする花々里の後頭部を押さえて、さらに一層口付けの角度を深くする。
様子を見ながら彼女の唇に舌を這わせると、やり過ぎたかな。
途端、花々里にドンッと強めに胸元を叩かれた。
――今日はここらが潮時、かな。
そう思って唇を離すと、すぐさま
「ほ、ほっぺじゃないじゃないっ! 頼綱の嘘つき! 超過分、美味しいもので返してっ!」
唇に手を当てて、花々里が涙目で睨みつけてくるんだ。
そんな花々里にクスッと笑って「了解」と告げると、俺はくるりと踵を返して彼女には見えないところで笑みを深める。
花々里はきっと、そんな俺の背中をあの大きくてウルウルの、まつ毛バシバシの目で睨みつけていることだろう。
さて、次は何を理由に花々里に触れようかな。
タラの芽が終わったら次はフキだよね。
色々思いを巡らせると、今まではそれほど興味のなかったあれこれの旬の食材たちが、これまで感じたことがないくらい魅力的に思えてきた。
花々里が我が家に来てくれて、俺の世界は色鮮やかになった気がする。
花々里となら、きっとインスタントラーメンだってご馳走になるだろう。
そんなことを思った。
END(2021/04/10-4/27)
「ん、……んっ!」
驚いて逃げようとする花々里の後頭部を押さえて、さらに一層口付けの角度を深くする。
様子を見ながら彼女の唇に舌を這わせると、やり過ぎたかな。
途端、花々里にドンッと強めに胸元を叩かれた。
――今日はここらが潮時、かな。
そう思って唇を離すと、すぐさま
「ほ、ほっぺじゃないじゃないっ! 頼綱の嘘つき! 超過分、美味しいもので返してっ!」
唇に手を当てて、花々里が涙目で睨みつけてくるんだ。
そんな花々里にクスッと笑って「了解」と告げると、俺はくるりと踵を返して彼女には見えないところで笑みを深める。
花々里はきっと、そんな俺の背中をあの大きくてウルウルの、まつ毛バシバシの目で睨みつけていることだろう。
さて、次は何を理由に花々里に触れようかな。
タラの芽が終わったら次はフキだよね。
色々思いを巡らせると、今まではそれほど興味のなかったあれこれの旬の食材たちが、これまで感じたことがないくらい魅力的に思えてきた。
花々里が我が家に来てくれて、俺の世界は色鮮やかになった気がする。
花々里となら、きっとインスタントラーメンだってご馳走になるだろう。
そんなことを思った。
END(2021/04/10-4/27)