そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
俺は花々里のあごをそっと持ち上げると、彼女が食んだままのポテトチップスの一枚を唇で挟み取った。
そんな俺の動作を、花々里が瞳を見開いて固まったように見上げてくる。
――ああ、俺のフィアンセはなんて可愛いんだろう!
医科大学への編入試験がうまくいくまでは、不用意に手出しはしないと心に決めたんだがね。
これはなかなかに手強いな、と俺が思っていることになんて、花々里は微塵も気付いていないんだろうな。
程よい酸っぱさと、クリーミーな味、そうしてポテトの風味と玉ねぎの香りに包まれながら、俺は小さく吐息をついた。
そういえばこの前はとんがりコーンを指にはめて「はいどうぞ」ってされたっけ。
あの時にも、花々里の小さな指ごとそれを頂いて、彼女を真っ赤にさせたっけ。
年上として食べ物で遊んではいけないよ、と言わねばならないとか、そんなことが全部吹き飛んでしまうほど、花々里の取る行動のあれこれが突飛で愛らし過ぎて。
いつかお菓子なんかじゃなく、花々里自身をいただける日がくるのを、俺は心待ちにしているんだよ?
そんなことを言ったら、キミは一体どんな顔をするんだろうね?
END(2021/08/05)
そんな俺の動作を、花々里が瞳を見開いて固まったように見上げてくる。
――ああ、俺のフィアンセはなんて可愛いんだろう!
医科大学への編入試験がうまくいくまでは、不用意に手出しはしないと心に決めたんだがね。
これはなかなかに手強いな、と俺が思っていることになんて、花々里は微塵も気付いていないんだろうな。
程よい酸っぱさと、クリーミーな味、そうしてポテトの風味と玉ねぎの香りに包まれながら、俺は小さく吐息をついた。
そういえばこの前はとんがりコーンを指にはめて「はいどうぞ」ってされたっけ。
あの時にも、花々里の小さな指ごとそれを頂いて、彼女を真っ赤にさせたっけ。
年上として食べ物で遊んではいけないよ、と言わねばならないとか、そんなことが全部吹き飛んでしまうほど、花々里の取る行動のあれこれが突飛で愛らし過ぎて。
いつかお菓子なんかじゃなく、花々里自身をいただける日がくるのを、俺は心待ちにしているんだよ?
そんなことを言ったら、キミは一体どんな顔をするんだろうね?
END(2021/08/05)