そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***
「じゃあ、基本的な家事は今まで通り八千代さんにやってもらって、花々里は学校へ行くまでの空き時間と、帰ってきてから眠るまでに主体を置いて動いてみることにしようか。役割分担については八千代さんの方が色々思うことがあるだろうし、彼女と話し合って擦り合わせていくんで構わないかな?」
御神本さん……じゃなくて……、よ、頼綱に聞かれて、八千代さんが「結構でございます」とお辞儀する。
私も右も左も分からないことなので、八千代さんに采配を振るってもらえたらすごく助かるなって思って、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
「そ、それで……あの……よ、りつなっ。その胸ポケットの婚姻届なんだけど……」
出来れば回収したい。
そう思ったんだけど、さすがにそれは許してはもらえなくて。
「俺の部屋の金庫に保管するんでどうかな? 花々里の許可なく勝手に役所へ出したりはしないから安心して? でも……」
そこで私の手をギュッと握ってきた坊ちゃまに、顔を覗き込まれた。
ひゃーっ。八千代さんの前でやめてくださいっ。
いや、目の前でなきゃいいってわけでもないけれど、人前でイチャコラとか恥ずかしいではないですかっ。
良家の御子息?たるもの、そこいらはしっかりとわきまえていただきたくっ!
顔を必死に横向けながら慌てて手を引こうとしたけれど、思いのほか力強く握られていて離れてくれなくて。
「じゃあ、基本的な家事は今まで通り八千代さんにやってもらって、花々里は学校へ行くまでの空き時間と、帰ってきてから眠るまでに主体を置いて動いてみることにしようか。役割分担については八千代さんの方が色々思うことがあるだろうし、彼女と話し合って擦り合わせていくんで構わないかな?」
御神本さん……じゃなくて……、よ、頼綱に聞かれて、八千代さんが「結構でございます」とお辞儀する。
私も右も左も分からないことなので、八千代さんに采配を振るってもらえたらすごく助かるなって思って、「よろしくお願いします」と頭を下げた。
「そ、それで……あの……よ、りつなっ。その胸ポケットの婚姻届なんだけど……」
出来れば回収したい。
そう思ったんだけど、さすがにそれは許してはもらえなくて。
「俺の部屋の金庫に保管するんでどうかな? 花々里の許可なく勝手に役所へ出したりはしないから安心して? でも……」
そこで私の手をギュッと握ってきた坊ちゃまに、顔を覗き込まれた。
ひゃーっ。八千代さんの前でやめてくださいっ。
いや、目の前でなきゃいいってわけでもないけれど、人前でイチャコラとか恥ずかしいではないですかっ。
良家の御子息?たるもの、そこいらはしっかりとわきまえていただきたくっ!
顔を必死に横向けながら慌てて手を引こうとしたけれど、思いのほか力強く握られていて離れてくれなくて。