そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***
ここは銭湯ですか?と思うような広い脱衣所。
私が把握している限りでは、このお屋敷には坊っちゃまと、八千代さんと私の3人しかいないはずなのに。
脱いだ服を入れておける作り付けらしき棚が壁の一面を占拠していて、ざっと見ただけでも20人分は服がストックできてしまえそう。
その棚の上段のほうに浴衣が収められているらしく、頼綱……が背の届かない私の代わりに「どうぞ」と下ろしてくれた。
「ありがとう……」
そわそわしながら受け取ったら、「先に入っているから着替えたらおいで」と言われて――。
「やっ、ちょっ、待っ……!」
目の前で何の躊躇いもなく服を脱ぎ始めてしまう頼綱に、私は慌てて後ろを向いた。
「そんなに照れなくても……。花々里は今から俺の背中を流してくれるんだろう? これしきで恥ずかしがっていたらとてもじゃないけど……」
途中まで言って、意味深に言葉を止める彼に、「とてもじゃないけど何!?」って心臓がバクバクする。
頼綱……がどこまで脱いでいるのか分からなくて、私は振り返ることもできずに顔を覆って硬直したまんま。
ここは銭湯ですか?と思うような広い脱衣所。
私が把握している限りでは、このお屋敷には坊っちゃまと、八千代さんと私の3人しかいないはずなのに。
脱いだ服を入れておける作り付けらしき棚が壁の一面を占拠していて、ざっと見ただけでも20人分は服がストックできてしまえそう。
その棚の上段のほうに浴衣が収められているらしく、頼綱……が背の届かない私の代わりに「どうぞ」と下ろしてくれた。
「ありがとう……」
そわそわしながら受け取ったら、「先に入っているから着替えたらおいで」と言われて――。
「やっ、ちょっ、待っ……!」
目の前で何の躊躇いもなく服を脱ぎ始めてしまう頼綱に、私は慌てて後ろを向いた。
「そんなに照れなくても……。花々里は今から俺の背中を流してくれるんだろう? これしきで恥ずかしがっていたらとてもじゃないけど……」
途中まで言って、意味深に言葉を止める彼に、「とてもじゃないけど何!?」って心臓がバクバクする。
頼綱……がどこまで脱いでいるのか分からなくて、私は振り返ることもできずに顔を覆って硬直したまんま。