そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
***

「続き、頼めるかな?」

 言われて死骸……もとい海綿を差し出されて、思わず触れるのを躊躇(ためら)う。

 その様を見た頼綱(よりつな)が、何を思ったのか私の手首をギュッと握ってきて。

「俺が変な説明をしたから要らぬ嫌悪感を抱かせてしまったね。お詫びにこれが、実際はどんなに使い心地がいいのか、()が直々に花々里(かがり)()()()()()()()()

 お詫びというのは、普通私にとって利益になることなんじゃないでしょうか?
 少なくとも()()()()()()()みたいに上から目線で押し付けられるものではないと思うの。

 せ、せめて「教えてあげよう」とかならまだしも、一人称も「俺」じゃなくて「僕」に変わってるし、なんだか身にまとう雰囲気まで変わっていてすごく怖いです!

「け、結構ですっ」

 ソワソワして一生懸命掴まれた手を引いて見たけれど、濡れてるのに抜けないとか!
< 97 / 632 >

この作品をシェア

pagetop