政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
入って来た時から、朱加里をメガネ越しにちらりと見たのを俺は見逃さなかった。
まったく、素直じゃないジジイだ。
その血を引いている俺も俺だが。
朱加里の方は白河の祖父と対面し、緊張しているのか硬い表情をしてた。
「井垣の孫娘か」
「はい。井垣朱加里と申します」
「井垣会長からの手紙を預かっています」
俺に渡された遺言書は二枚。
一枚は祖父に手渡すものだった。
遺言書を渡すと祖父はそれを読んで笑った。
「壱都。お前が井垣を名乗るか」
「今の井垣には俺よりマシな人材がいないようです」
「お前は井垣グループの社長になることを海外支店に行く前から、井垣に言われ、わかっていたな?」
「はい」
「なぜ、報告しなかった」
朱加里は驚いていた。
それはそうだろう。
実の孫に向かって『報告しろ』と言うのだから、驚いて当然だ。
まったく、素直じゃないジジイだ。
その血を引いている俺も俺だが。
朱加里の方は白河の祖父と対面し、緊張しているのか硬い表情をしてた。
「井垣の孫娘か」
「はい。井垣朱加里と申します」
「井垣会長からの手紙を預かっています」
俺に渡された遺言書は二枚。
一枚は祖父に手渡すものだった。
遺言書を渡すと祖父はそれを読んで笑った。
「壱都。お前が井垣を名乗るか」
「今の井垣には俺よりマシな人材がいないようです」
「お前は井垣グループの社長になることを海外支店に行く前から、井垣に言われ、わかっていたな?」
「はい」
「なぜ、報告しなかった」
朱加里は驚いていた。
それはそうだろう。
実の孫に向かって『報告しろ』と言うのだから、驚いて当然だ。