政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
俺達を迎えたなり、あっさりと無能な社長を切り捨てた。
壮貴さんはまだ社長室にいたが、誰からも相手にされず、すでに会長の遺言で俺が社長となることは周知されており、業務に支障はなかった。
他の会社から挨拶の電話や来客が相次ぎ、事実上、この数日で井垣の社長は完全に交替にできそうだった。
もうじき、取締役会が開かれ、井垣社長は正式に解任となるだろう。
「仕事が原因で機嫌が悪いわけじゃないと」
「嫌だなあ。普通だよ」
にこりと微笑んでも長い付き合いだけあって、樫村は騙されない。
「もしかして、朱加里さんとうまくいってないとか?お互いの生活リズムというものがありますからね。きちんと合わせてあげてください」
樫村は俺を他人と合わせられない我儘な坊ちゃんとでも思っているのだろうか。
「樫村。俺はこれでも譲歩している」
「はあ?」
壮貴さんはまだ社長室にいたが、誰からも相手にされず、すでに会長の遺言で俺が社長となることは周知されており、業務に支障はなかった。
他の会社から挨拶の電話や来客が相次ぎ、事実上、この数日で井垣の社長は完全に交替にできそうだった。
もうじき、取締役会が開かれ、井垣社長は正式に解任となるだろう。
「仕事が原因で機嫌が悪いわけじゃないと」
「嫌だなあ。普通だよ」
にこりと微笑んでも長い付き合いだけあって、樫村は騙されない。
「もしかして、朱加里さんとうまくいってないとか?お互いの生活リズムというものがありますからね。きちんと合わせてあげてください」
樫村は俺を他人と合わせられない我儘な坊ちゃんとでも思っているのだろうか。
「樫村。俺はこれでも譲歩している」
「はあ?」