政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「私が言う貯金は自然にたまるお金じゃないんです。通帳を見て、少しずつ貯まっていくお金に達成感を見いだすのが私が言っている貯金なんです」

いきなり、ドカンと振り込まれたお金に意味はある?
ない!
私の趣味の一つに貯金をいれてもいいくらいなんだから!

「わかるような、わからないような」

はあ、壱都さんに共感を求めた私がバカだった。

「朱加里さんは真面目ですね。そんなに働きたいのなら、壱都さんの秘書になればいいんじゃないですか?」

「樫村。たまにいいことを言うな」

「たまにっていつもですよ」

「すぐ再就職先が見つかってよかったなって、大学を卒業するまではバイトかな?」

「そうですね。明日から、壱都さんの世話が減ると思うと助かります」

え?秘書?
いつの間にか、私は壱都さんの秘書になることが決まっていた。
二人はうどんを入れて、食べ始めていた。
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