政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
失ったものは?
壱都さんが社長の椅子を追われて三日経った。
あれ以来、向こうの弁護士さんからの連絡はなかった。
そして、なぜか壱都さんから旅行に行こうと言われて、一泊の温泉旅行に来ていた。
なぜ、こんな時に温泉なんだろうか。
もしかして、傷心旅行のような旅行なのかと思い、壱都さんの様子をうかがったけれど、まったく慌てていない。
無職になってしまった壱都さん。
そして、私は就職の内定は取り消されたまま。
これから、どうなるのだろうと旅館の窓から見える風景をぼんやり眺めた。
「海の近くで正解だったな」
「そうですね」
眺めのいい部屋からは冬の海が見えた。
青灰色の海は風が強いのに鳥がサッと飛んできて、海の波間を滑っていく。
とろりとした波を見ていると眠くなり、やることがなかった私は大浴場へと向かった。
壱都さんは仕事がないはずなのにパソコンを持ち込んで忙しくしていた。
あれ以来、向こうの弁護士さんからの連絡はなかった。
そして、なぜか壱都さんから旅行に行こうと言われて、一泊の温泉旅行に来ていた。
なぜ、こんな時に温泉なんだろうか。
もしかして、傷心旅行のような旅行なのかと思い、壱都さんの様子をうかがったけれど、まったく慌てていない。
無職になってしまった壱都さん。
そして、私は就職の内定は取り消されたまま。
これから、どうなるのだろうと旅館の窓から見える風景をぼんやり眺めた。
「海の近くで正解だったな」
「そうですね」
眺めのいい部屋からは冬の海が見えた。
青灰色の海は風が強いのに鳥がサッと飛んできて、海の波間を滑っていく。
とろりとした波を見ていると眠くなり、やることがなかった私は大浴場へと向かった。
壱都さんは仕事がないはずなのにパソコンを持ち込んで忙しくしていた。