政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
その言葉を最後に紗耶香さんは警備員に連行されていった。
「失礼な。たまたま紗耶香さんのバッグに手頃なナイフが入っていただけだというのに」
使うか、使わないかは本人次第。
「思った通りでしたね」
樫村が呆れたように紗耶香さんが去ったほうを眺めていた。
「ごくろうだったな」
「そうでもないですよ。感情的になっている人間の隙をつくくらいなんでもありません」
紗耶香さんのせいで、パーティーは静まり返り、お祝いムードではなくなってしまった。
気まずい空気が流れていた。
だが―――遅れてやってきた二人が場の雰囲気を一変させた。
「まあ!白河様っ!」
「克麻さんと直将さんよ」
「白河家三兄弟がそろうなんて、素晴らしい眺めね」
「お話したいわ」
「声をかけてもいいのかしら」
主に女性達が一斉に色めき立った。
「失礼な。たまたま紗耶香さんのバッグに手頃なナイフが入っていただけだというのに」
使うか、使わないかは本人次第。
「思った通りでしたね」
樫村が呆れたように紗耶香さんが去ったほうを眺めていた。
「ごくろうだったな」
「そうでもないですよ。感情的になっている人間の隙をつくくらいなんでもありません」
紗耶香さんのせいで、パーティーは静まり返り、お祝いムードではなくなってしまった。
気まずい空気が流れていた。
だが―――遅れてやってきた二人が場の雰囲気を一変させた。
「まあ!白河様っ!」
「克麻さんと直将さんよ」
「白河家三兄弟がそろうなんて、素晴らしい眺めね」
「お話したいわ」
「声をかけてもいいのかしら」
主に女性達が一斉に色めき立った。