政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
目を険しくさせたお祖父さんは壱都さんが怒っている時の顔とよく似ていた。
「こんな話、誰にもするつもりはなかったが、歳だな。そこの箱をとってくれ」
ブランデーやウィスキーの洋酒のボトルがずらりと並んだ棚に木箱がひとつ置いてあった。
「はい」
棚のガラス戸を開けて箱を取り出した。
その箱から紙を一枚取り出して、私に渡してくれた。
「あいつが私にあてた遺言書だ」
白い紙には『約束を果たす』とだけ書いてあった。
これだけ!?
「ふざけているだろう?」
「約束ってなんですか?」
「井垣が会社を立ち上げて成功した後、話す機会があってな。井垣が謝ってきた。そして、生まれてくる子供が男と女なら結婚させようという話になった。けれど、お互い男が一人だけでな。うやむやになったまま、今の今まで約束は果たされなかった」
「それで私に婚約の話を持ってきたんですか」
「こんな話、誰にもするつもりはなかったが、歳だな。そこの箱をとってくれ」
ブランデーやウィスキーの洋酒のボトルがずらりと並んだ棚に木箱がひとつ置いてあった。
「はい」
棚のガラス戸を開けて箱を取り出した。
その箱から紙を一枚取り出して、私に渡してくれた。
「あいつが私にあてた遺言書だ」
白い紙には『約束を果たす』とだけ書いてあった。
これだけ!?
「ふざけているだろう?」
「約束ってなんですか?」
「井垣が会社を立ち上げて成功した後、話す機会があってな。井垣が謝ってきた。そして、生まれてくる子供が男と女なら結婚させようという話になった。けれど、お互い男が一人だけでな。うやむやになったまま、今の今まで約束は果たされなかった」
「それで私に婚約の話を持ってきたんですか」