政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「行くのはかまわないけど、祖父になにを言われても気にする必要はないからな?蛇に咬まれたと思って、忘れた方がいい」
「白河家が犬のイメージじゃないことは自覚しているんですね」
朱加里は出張土産のお菓子を眺めながら、のんきにそんなことを言った。
蛇は蛇でも毒蛇だ。
あいつらは。
「何も言われませんでしたよ? 」
なにもないわけがない。
俺のことでよけいなことを言ってないだろうな。
庭の池に落ちて肺炎になったとか、兄が飼っていた大型犬に踏みつぶされたとか―――聞かされてないよな。
「なにも聞いてないならいい」
「壱都さんより、長生きするように言われました」
「俺より……」
「そうです」
「そうか。俺のことを年寄り二人は心配してくれていたんだな」
やっとそれが俺にもわかった―――
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「白河家が犬のイメージじゃないことは自覚しているんですね」
朱加里は出張土産のお菓子を眺めながら、のんきにそんなことを言った。
蛇は蛇でも毒蛇だ。
あいつらは。
「何も言われませんでしたよ? 」
なにもないわけがない。
俺のことでよけいなことを言ってないだろうな。
庭の池に落ちて肺炎になったとか、兄が飼っていた大型犬に踏みつぶされたとか―――聞かされてないよな。
「なにも聞いてないならいい」
「壱都さんより、長生きするように言われました」
「俺より……」
「そうです」
「そうか。俺のことを年寄り二人は心配してくれていたんだな」
やっとそれが俺にもわかった―――
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