政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
今の間に今日のおやつを作ろうと、廊下に出ると台所前で紗耶香さんと鉢合わせした。
落ち着きなく、そわそわとしていて、私にいつもなら嫌味のひとつも言うのに今日はそんな余裕もないようだった。
「紗耶香さんがずっと玄関前の廊下をウロウロしているんですけど、なにかあるんですか?」
台所にいた町子さんに聞いてみた。
「王子様がくるんだよ」
今の時代に王子様?
町子さん達も心なしかそわそわしている。
本物の王子様ってわけではなさそうだけど。
とりあえず、今は王子様よりオーブンの中のマフィンだ。
板チョコを手で割って、生地にいれただけの簡単なマフィン。
でも、お菓子を作るとお祖父さんがおいしいと言って食べてくれるので、時間がある時はお菓子を作るようにしている。
簡単なお菓子しか作れないけど……
「お祖父さんにおやつを持って行きますね」
「カップケーキだね」
「マフィンです」
落ち着きなく、そわそわとしていて、私にいつもなら嫌味のひとつも言うのに今日はそんな余裕もないようだった。
「紗耶香さんがずっと玄関前の廊下をウロウロしているんですけど、なにかあるんですか?」
台所にいた町子さんに聞いてみた。
「王子様がくるんだよ」
今の時代に王子様?
町子さん達も心なしかそわそわしている。
本物の王子様ってわけではなさそうだけど。
とりあえず、今は王子様よりオーブンの中のマフィンだ。
板チョコを手で割って、生地にいれただけの簡単なマフィン。
でも、お菓子を作るとお祖父さんがおいしいと言って食べてくれるので、時間がある時はお菓子を作るようにしている。
簡単なお菓子しか作れないけど……
「お祖父さんにおやつを持って行きますね」
「カップケーキだね」
「マフィンです」