政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「お褒めいただき光栄です」
お祖父さんと話をして、怯まない人を初めて見た。
今までお祖父さんの元へやってきた人達はお祖父さんに遠慮して冗談のひとつも言えなかった。
それがこの王子様は違っていた。
「朱加里」
「は、はい」
気後れしてしまっている私にお祖父さんは淡々とした口調で言った。
「こいつは白河壱都という。白河財閥の末っ子だ」
なんと答えていいかわからず、軽く会釈した。
私と目があうと、壱都さんはにこりと微笑んだ。
たったそれだけなのにドキッとして、慌てて目をそらした。
お祖父さんから気を付けろと言われた意味がわかる。
この人は自分の魅力を理解している人だ。
あんな風に微笑まれて、嫌な女性なんていない。
けれど、壱都さんは自分の微笑みが他者に効果があるかわかっていそうで、なかなかのくせ者のような気がした。
お祖父さんと話をして、怯まない人を初めて見た。
今までお祖父さんの元へやってきた人達はお祖父さんに遠慮して冗談のひとつも言えなかった。
それがこの王子様は違っていた。
「朱加里」
「は、はい」
気後れしてしまっている私にお祖父さんは淡々とした口調で言った。
「こいつは白河壱都という。白河財閥の末っ子だ」
なんと答えていいかわからず、軽く会釈した。
私と目があうと、壱都さんはにこりと微笑んだ。
たったそれだけなのにドキッとして、慌てて目をそらした。
お祖父さんから気を付けろと言われた意味がわかる。
この人は自分の魅力を理解している人だ。
あんな風に微笑まれて、嫌な女性なんていない。
けれど、壱都さんは自分の微笑みが他者に効果があるかわかっていそうで、なかなかのくせ者のような気がした。