政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
自由にはやれるだろうけど、経営はどうなのだろうか。
正直、お祖父さんあっての井垣財閥だった。
父は威厳があるように見せかけているだけで、経営の方はさっぱりだという話を耳にしていた。
たびたび、お祖父さんのところに仕事関係者が相談にきて、父のやり方に不満をこぼしていた。
でも、井垣グループのこの先なんて私には関係ない。
明日にでも荷物をまとめて出ていくつもりだった。
お祖父さんがいなくなった井垣の家に私がいる理由はもうなにもないのだから。
「ゴミを捨ててくるわね」
弔問客にだしたお菓子や弁当のゴミを引きずりながら、外に出た。
ゴミを片付け終わると、ぼうっと裏庭を眺めた。
赤い実がついた南天の木に雪が積もっている。
寒さで赤い実に雪が凍り、指に触れるとパリッと音がして氷が崩れた。
南天の木の隣で、空から降ってくる雪を見上げると、頬に白い雪が触れ、溶けていった。
正直、お祖父さんあっての井垣財閥だった。
父は威厳があるように見せかけているだけで、経営の方はさっぱりだという話を耳にしていた。
たびたび、お祖父さんのところに仕事関係者が相談にきて、父のやり方に不満をこぼしていた。
でも、井垣グループのこの先なんて私には関係ない。
明日にでも荷物をまとめて出ていくつもりだった。
お祖父さんがいなくなった井垣の家に私がいる理由はもうなにもないのだから。
「ゴミを捨ててくるわね」
弔問客にだしたお菓子や弁当のゴミを引きずりながら、外に出た。
ゴミを片付け終わると、ぼうっと裏庭を眺めた。
赤い実がついた南天の木に雪が積もっている。
寒さで赤い実に雪が凍り、指に触れるとパリッと音がして氷が崩れた。
南天の木の隣で、空から降ってくる雪を見上げると、頬に白い雪が触れ、溶けていった。