ご先祖さまの証文のせいで、ホテル王と結婚させられ、ドバイに行きました
登録していない番号からのようで、名前も出ていない。
……イタズラメールにしては妙だから。
このメール、もしや、登録していない夫からっ?
そんな予感が真珠にはあった。
戸籍上の夫である有坂桔平にその心の呟きが聞こえていたら、
「いや、夫の番号くらい登録してろよっ」
と突っ込まれていたことだろうが。
とりあえず、警戒しながらも返信してみる。
食後の珈琲を飲みながら仕事の話をしていた佳苗がこちらを振り返り、言ってきた。
「真珠ー。
今、中峰にあんたが社食のパートで、うちに来てるってメールしたら。
今度、駄菓子研のみんなで飲まないかって」
爽やか系イケメン、中峰は佳苗と同じ、大学の駄菓子研究会の先輩だ。
「えっ? いつですか?
私、ちょっと行かねばならないところができまして」
「どこ行くの?」
再び入ってきたメッセージを見ながら真珠は言う。
「……ドバイです」
遅くても月末までにドバイまで来い、とそこには書かれていた。
……イタズラメールにしては妙だから。
このメール、もしや、登録していない夫からっ?
そんな予感が真珠にはあった。
戸籍上の夫である有坂桔平にその心の呟きが聞こえていたら、
「いや、夫の番号くらい登録してろよっ」
と突っ込まれていたことだろうが。
とりあえず、警戒しながらも返信してみる。
食後の珈琲を飲みながら仕事の話をしていた佳苗がこちらを振り返り、言ってきた。
「真珠ー。
今、中峰にあんたが社食のパートで、うちに来てるってメールしたら。
今度、駄菓子研のみんなで飲まないかって」
爽やか系イケメン、中峰は佳苗と同じ、大学の駄菓子研究会の先輩だ。
「えっ? いつですか?
私、ちょっと行かねばならないところができまして」
「どこ行くの?」
再び入ってきたメッセージを見ながら真珠は言う。
「……ドバイです」
遅くても月末までにドバイまで来い、とそこには書かれていた。