天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
紅蓮が白蘭の手を握り訴える。
「この想いは偽りではない。私は白蘭を愛している。心から愛している!ずっと共にいたい。そなただけだ」
「…嘘よ」
自分の心が揺れているのがわかる。
騙されてはいけないとわかっていても、二度も愛した男の言葉だ。
どうしても信じそうになる。
でもこれは嘘。三度目も私を騙そうとしている。
「愛している。白蘭。愛している。」
「やめてっ!」
白蘭は握られている手を振り払った。
なぜ何度も私を惑わせるの?
心が張り裂けそうよ。
いっそのこと私をまた用済みだと殺せばいいものを!
愛している。だなんて…。