天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



紅蓮が白蘭の手を握り訴える。


「この想いは偽りではない。私は白蘭を愛している。心から愛している!ずっと共にいたい。そなただけだ」

「…嘘よ」


自分の心が揺れているのがわかる。

騙されてはいけないとわかっていても、二度も愛した男の言葉だ。

どうしても信じそうになる。

でもこれは嘘。三度目も私を騙そうとしている。


「愛している。白蘭。愛している。」

「やめてっ!」


白蘭は握られている手を振り払った。

なぜ何度も私を惑わせるの?

心が張り裂けそうよ。

いっそのこと私をまた用済みだと殺せばいいものを!

愛している。だなんて…。



< 105 / 258 >

この作品をシェア

pagetop