天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
…まだ奴を愛すというのか、白蘭…
それから白蘭は笑わなくなった。
虚ろでふと奴の事を想うのか悲しそうにする。
そしてまた数日経ったある日、朝議では魔界との戦の件が話し出されていた。
「魔界は戦闘準備をしているそうです」
「魔帝は何を考えているのか!また二千年前の戦を起こそうというのか!」
「陛下!先に仕掛けるべきでは?」
神々が口々にそういった。
月影は天界から戦は仕掛けないつもりだった。
だが、虹彩樹での一件があり考えは変わっていた。
「そうだな。魔界が攻めてきて、この天界で戦が起これば都にいる民たちに危害が及ぶ。いっそのことこちらから魔都に奇襲をかけるべきだな」
天帝が賛成すると周り者も賛成の声が上がった。