天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「ではこの一心が戦神として白豹族を率い戦の準備に取り掛かりましょう」
「ああ。頼んだ」
朝議が終わり天帝宮に行こうと天宮を出た時、なにやら外で神達が騒がしいのが見えた。
ざわついたように何かを取り囲む神達に声をかけた。
「何事だ?」
声をかけると、サッと道が開かれる。
輪の中心には白蘭がいた。
「白蘭?」
まだ朝方で冷え込むのにも関わらず薄着で座り込んでいる。
「皆、下がれ」
神達を急いで下がらせる。
そして月影はすぐに彼女の元に駆け寄ると腕を支えて立たせた。
「こんな薄着で床に座り込むなんて…」
瞳を覗くも虚ろで暗い。
身体は冷たく足元を見ると靴さえ履いていない。
どれほど、天宮をさまよったのか足は傷だらけだ。
兎月は何をしていたのだ。