天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
そう言う彼女があまりにも痛々しく思わず抱き寄せた。
「考えたくないのに考えてしまう…自分で自分が嫌になる…」
「私がいる…私だけはずっと側にいる。絶対に白蘭を裏切らないと約束しよう」
静かに白蘭は龍の腕の中で涙を流した。
そして月影はそんな天女の髪を優しく撫で慰めた。
白蘭が落ち着いたところで月影は言った。
「まだ時間が必要というのならいくらでも待つ…だが、行動することで想いを変えることが出来るかもしれない…」
「…どういう意味なの?」
「私との婚姻を真剣に考えてくれないか?」
「…でも、私は」
「両想いでなくても構わない。…私は白蘭を愛している。少しずつでいい。少しずつ私に目を向けてくれ」