天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「…白蘭は天女の子だぞ」
「なんですって?」
「長年、白蘭の羽を閉じ込めていて気付かなかったのか?天女の羽は白…だろう?」
そういえばあの羽は時間が経つにつれて白くなっていた。
ゾッとした。
「そんな…そんな馬鹿な…」
「やっとわかったか。事の重大さを。魔后を殺した事はまだ魔界内で処理できる…。しかし天女を殺したとなれば天界も魔界もはたまた天までも敵に回したということだ」
「…」
「もう逃げることはできないぞ」
そうだ。天女殺しは何よりも重罪だ。
天界や魔界から逃げられたとしても天からは逃げられはしない。
「…いやあっ」
恐ろしさに悲鳴をあげた玲心は宮に戻り布団をかぶると震えた。