天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
---------------------------------------
【魔界】


白蘭の言葉に心痛しながらも紅蓮は考えこんでいた。


どういうことだ。私が白蘭を殺したというのか?

月影が何か記憶の操作でもしたのか?しかし白蘭は自分で経験したと言っていた。


何かわかるかと再び忘却湖に行ってみたが何もわからず皇太子宮に戻ってきたところだった。


こういうときに朱雀がいれば…。

朱雀は鼻も利くし不審な点によく気が付くのだ。

魔界では戦の準備が進み朱雀軍もすでに準備が整っている。

朱雀がいない代わりに紅蓮が直々に指揮をとらねばならない。

天界の戦神である白豹族の一心も神籍を持つだけあって相当の腕だ。軍を指揮しながら戦うのは骨が折れそうだな。


気づかぬうちに随分と朱雀に頼っていた。



< 119 / 258 >

この作品をシェア

pagetop