天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「明日、白蘭を迎えに行く」
「では部屋の用意を…どこの宮を用意いたしましょうか」
「無論、正室の宮だ。天后宮でもいい」
「かしこまりました」
ついにこの時が来た。
やっと待ち望んだことが叶う。
まだお互いを知らず人間界で会った時、その優しさに触れた。
誰かにあのように良くしてもらえたのは生まれて初めてだった。
そして天空石に悩まされた。
どれだけ相手が白蘭であればと悩んだことか…。
紅蓮と結ばれたとき、二人の笑顔が見ていられず思わず逃げ出した。
諦めようと思った時、天は私に味方したのだ。白蘭が天女の子だった。