天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


「皇太子殿下」

「香林か…。どうだ朱雀の居場所は何かつかめたか?」

「いいえ。申し訳ございません」

「そうか…」


やはり見つからないか。

紅蓮は肩を落とした。


「殿下…朱雀様と関係があるかはわからないのですが…」

「なんでもいい。少しでも手がかりがあるなら話してくれ」

「以前、鳥族の侍女が消える事件が多発していたのです。その時期にちょうど朱雀様と玲心様が激しく揉めたことがありまして…」

「それで?」

「それから朱雀様が消え、鳥族の失踪は無くなったのです」

「…」


これだけでは何とも言えない。

香林が何か言いかけたが先に紅蓮が口を開いた。


「侍女のことは雪梨に聞くのが早いな」



< 120 / 258 >

この作品をシェア

pagetop