天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


雪梨はすぐにやってきた。


「紅蓮様、お呼びですか?」

「雪梨。聞きたいことがある。以前あった鳥族の侍女の失踪は玲心の仕業か?」

「…おそらく」

「そうか…」


侍女の失踪は玲心の仕業。それから朱雀が玲心と揉めて消えた。

玲心は確かに疑わしいがあの法術では朱雀には敵わないだろう。


「二人とも朱雀が行方不明になる前、何か不審なことは無かったか?あとは玲心の様子などは?」

「そういえば…」

「どうした?」

「朱雀が突然、白蘭の侍女に話を聞きたいと訪ねてきたことが…」

「侍女とは話をしたのか?」

「いいえ。白蘭の侍女は皆、失踪したり謎の死を遂げていますので…」


なぜ白蘭の侍女が皆、死んでいるのだ…?


「それで当時の話が聞きたいとのことだったので代わりの侍女と話をしていました」

「その侍女はいるか?」

「ええ。います。朱華!こちらへ…」



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