天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
進むと玲心の姿が見え兵と共に陰に隠れた。
水の音も聞こえる。
「無様ね…」
「…」
相手の顔は見えないが誰かを水牢に閉じ込めているみたいだ。
誰と会話をしているんだ?
しばらく様子を見ようとした。
「朱雀」
が、その名を聞いてすぐに紅蓮は玲心に姿をあらわした。
「何をしている!」
「!?」
驚いた顔でこちらを見る玲心。
「なぜ、ここに!?」
「…紅蓮様」
水牢に浸かっていた朱雀が目を開ける。
「玲心。貴様よくもこのようなことをっ。衛兵!」