天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



すぐに兵が玲心と双子を取り押さえ朱雀は水牢から助けられた。


「朱雀っ!無事かっ!!」

「…無事に見えますか?遅いですよ…」


弱弱しく笑う朱雀。

身体は水に浸かり冷たかったが蘇生術を使うと一人でしっかりと立った。


「放しなさいっ!私のことを誰だと思っているのよ!!」


玲心が兵に叫び声をあげる。


「紅蓮様。あの女は…」

「ああ、白蘭の死に関わっているな」

「それだけではありません…」


朱雀がとなりの水牢に近づき中にいた者を引き上げ助けた。


「薬師神!?なぜここに!」


神籍を持つから死んではいないが、なぜ神がここに囚われている…まさか…。

玲心に向き直り問い詰める。


「朱雀だけでなく神にまで手を出したのか?重罪だぞ」


玲心は紅蓮に睨み付けられ目を逸らす。


…玲心がここまで分別がないとは。



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