天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「まず、この女は魔后殿下と共謀し病の白蘭に術のかかった香を使い思考を鈍らせました。思考を奪った後、白蘭に自分を信頼させ魔宮から遠ざけるために私達二人を呪神羅刹の元へ向かわせました」
「…続けろ」
「羅刹の元へ行く間、玲心は巧偽術を使い紅蓮様の姿になり白蘭と忘却湖へ。そして白蘭の羽を斬り落とし、白蘭は自ら湖に飛び込んだのです。」
これで白蘭の言っていた謎が解けた。
白蘭は巧偽術で私の姿になった玲心に殺されたのだ。そして思考が鈍っていたためにわからなかった。
怒りで逆に冷静だった。
「そして切り取った白蘭の羽を玲心はこの部屋に持ち込み何年にもわたって杭を打ち込み痛めつけたのです…そして薬師神は全てを知っているためここに閉じ込められた。」
杭…。
入り口付近にあった。血だらけの杭が何本も。
紅蓮は拳を握りしめた。
「紅蓮様。話にはまだ続きがあります…」
「なんだ…?」
これ以上、どんな罪を犯すというのだ。
紅蓮は今すぐにでも玲心を八つ裂きにしてやりたいと思っていた。