天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~


「玲心は魔后殿下をも殺しました…」

「…」


これ以上この女を生かしておく必要はない。

紅蓮は怒りに震え鳳凰の羽が見えた。

空中に手を伸ばすと、そこに炎が集まり剣の形をとった。


「…殺してやる」

「紅蓮様!お待ちください」


意外にも止めたのは朱雀だった。


「止めるなっ。朱雀!」

「血の盟約を結んだのです!玲心は月影と!」


血の盟約だと?


「盟約で玲心と月影はお互いに白蘭と紅蓮様の無事を約束されたのです!もし玲心が死ねば天界にいる月影が紅蓮様を容赦なく殺しに来ます!」


「構わないっ!殺しに来るならくればいい!受けて立つ!!だが、今一番死ぬべきは、この女だ!!」


「気持ちはわかります!私だって友を殺されたのです!いますぐに殺してやりたい!でも冷静になってくださいっ白蘭はどうなるのです」


「白蘭…」


そうだ。白蘭は何も知らない。



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