天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



数々の調度品を見て回ると、今まで見たことがなかった真新しい鎧が置いてあった。


これは…明日、月影が着るものかしら…。


天界同様に白い鎧だけど。


「ここにいたのか?」


政務が終わった月影が声をかけこちらに来る。


「月影」

「これか…?これは明日着る物だ。白い鎧で驚いたか?」

「ええ。普通、鎧って暗い色だと思っていたから…」


戦場では斬ったり斬られることが多いから血の色が目立たないように暗い色を選ぶのが普通だ。


「代々天帝の鎧は白なのだ」

「そうなの」

「白蘭、本当に明日共に向かうのか?」

「ええ」

「そうか…」


きっと月影は過保護だから心配しているのだ。


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