天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
「紅蓮ならば良き魔帝となることだろう!!よって魔界の未来を紅蓮に託す!!!皆、紅蓮に続くのだ!良き魔界を共に築き上げてくれ!!!」
「「「魔帝陛下の仰せの通りに!!!」」」
魔帝は紅蓮に向き直ると笑って肩をたたいた。
「この戦が終わった後、正式に魔帝即位を行おう…魔界を頼むぞ。紅蓮」
「はいっ。父上!」
士気が最高潮に達したとき空に天界の兵が見えてきた。
「来たな…皆構えよ!」
その声に黒豹族が真の姿を現し、兵は剣を構えた。
紅蓮も炎で剣を作り出そうとしたその時、天界の兵から一人驚異の速さで何かが近づいてきた。
光る矢のように先陣を切りこちらに向かってくる。
…あれは誰だ?早すぎて確認ができない。
父も警戒し結界を張ったところでその光は魔帝に突進してきた。
「父上!!」
魔帝の結界をも壊し、瞬く間に魔帝の姿は消えた。